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「桶川はどうしてる?」
「私は地元の県立大学。家からも近いし、お金も私立よりはかからないから。選考は情報処理で、将来IT企業にでも就職出来たら良いなって思ってる」
「そうか、正しい判断だな」
小夜は子供の頃を思い出し、健太郎を今と比較してみた。
「健太郎、昔と別人みたい。子供の頃、もっと物静かだった様な気がする」
それを聞いて健太郎は真顔になると、口を開いた。
「桶川、この村の風習を知ってるか?」
「風習!?」
私は新幹線で出会った雲海さんの"神隠し"の話しを思い出した。
「俺は東大で民俗学を選んだのには理由がある」
「もしかして、"神隠し"の事?」
「桶川も知っているのか!?」
やっぱりそうか…健太郎は何か感じていたんだ。
「私、新幹線であるお坊さんに出会って、村の噂を聞いたの。神無月に名無し村へ入った女性は、神隠しに遭うと」
小夜は自分の事と知りながら、冷静に答えた。
そらから健太郎が語り始める。
「この村は神無月になると、外部の若い女性達を呼んでお祝いした後、イタチ神社にある洞窟へ閉じ込めるらしい」
その話しに小夜は疑問を持った。
「名無し村の人達が、私達女性を連れ去るの!?一体どうして!!?」
「"かまいたち"の風を鎮める為だ!!」
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