第二語り

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その夜、小夜は宴会に戻り夜も老けて来た頃、二人は途中で翔子の家へ帰る事にした。 「小夜ちゃんさぁ、中々戻って来ねぇから心配したぁ」 「ゴメンね、翔子ちゃん。何か体調がすぐれなくて。疲れもあるのかも」 二人は街灯の少ない薄暗い道を、ゆっくりと並んで帰る。 「家さ、帰ったら、お布団敷いてあるから、ゆっくり休んでなや」 「ありがとう、翔子ちゃん」 こうやって翔子ちゃんと歩いてると、本当に"神隠し"や"かまいたちの風"みたいな事が村で起きてるのか、分からなくなる。 全ては雲海さんや健太郎から聞いた話しで、村の逸話みたいなものを感じる。 村人達が逸話を建前に、本当に私を拉致したりするのだろうか? 私は夢でも見ている気分だった。 「小夜ちゃん、顔色もあまり良くねぇな。あまり無理しねぇで、体調悪かったら明日にでも帰ってええから」 「大丈夫!今晩、眠れば明日はきっと元気になるよ」 私は翔子ちゃんを気遣い、元気のある振りを見せた。 内心、本当に帰るかどうか悩んではいるのだが。 しばらくして、翔子ちゃんの自宅に到着した。
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