第二語り

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それからお風呂に入り私は早めの就寝についた。 本来なら久しぶりに会った翔子ちゃんといろんな話しをして、夜更かしを楽しむつもりだったのだが、得体の知れない不安にそういう元気すら奪われていた。 その晩、疲れもあったせいか、私は落ちる様に眠りについた。 そして夜中の2時。 パッと目が覚めると私はしばらく布団の中で天井を見上げていた。 しばらくして、木のきしむ様な物音が耳元に響いてくる。 木造建ての家にはよくある現象で、気温差でそういうラップ音が鳴るのは知っていた。 大学の民俗学の講義で、知り得た情報なのだが。 "ギギィーッ!"とまた音がして私は、座敷戸の方へ目を向ける。 座敷戸は磨りガラスになっていて、廊下の明かりや人影が見える様に作られていた。 が、逆にそれが私を脅かす事になった。 「誰!?」 そこに人影が立っていたのだ。 女性のシルエットに両手には草刈り鎌、明らかに不自然な人影である。 「おばさんですか!?」 私は小声で廊下に立っている人影に声をかけるのだが、まったくリアクションがなく動く様子もない。 「翔子ちゃん!!?」 私は布団から出ると、ゆっくり廊下の方へ近寄り立ち止まった。 そして恐怖に脅えながらも座敷戸に手をかける。
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