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「先輩、好きです。先輩ともっと近くで過ごしたい。
付き合ってください。」
「ごめん。」
陸上部の先輩の最後の大会、声がつぶれてしまうくらい全力で応援した。
けど、先輩は、僅差で入賞することはできなかった。
悔しかった。
だって、私は知っている。
犬の散歩で公園に行くと必ず先輩がいてスタートダッシュの練習をしていたこと。部活の練習は、人一倍熱量が違った。
なのに、こんなことってある?
肩を落とし、拳を握りしめながら、グラウンドをただ見つめる先輩の後ろ姿は、強く、そして隠しきれないほどの悔しさを感じた。
そして、私は気づいたら思いを口に出していた。
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