101人が本棚に入れています
本棚に追加
ーー
「へぇ、小夏弟ができるんだ」
今日のお昼は教室でお弁当を食べながら、華に報告中。
「らしいよ。まだ見たことないけど」
「何はともあれおじさんおめでとう」
「ありがと」
「小夏的にも祝福ムードなんでしょ?」
「もち」
継母なんて言い方はちょっと微妙だけど、要は家族が増えるわけだしおめでたいことだ。まぁ、陽子さんがいい人だからこんな気持ちでいられるってのもあるけど。
「イケメンだといいね」
「弟になるわけだし、別にどっちでもいいかな」
「因みにフラグは?」
「こんなところのフラグ探すほど、私ヤバくないんですけど」
ジトリと睨むと、華がおかしそうに笑った。
「ねぇねぇ相崎さん隅田さん」
唐突に、男子から話しかけられる。
「二人は、どっちがいいと思う?」
笑顔でそう言うのは、顔だけ見れば間違いなくクラスで一番のイケメン・藤 諒太郎君。と、その横には江南 太一君。彼もまた、間違いなくイケメンの部類に入る。
いわゆるカースト上位の彼らとは大して話したこともないし、派手でチャラっとしたノリもあんまり得意じゃない。
「どっちって、何が?」
私の返しに、二人は真面目な表情で少しだけこっちに顔を近付けた。
「付き合うなら、俺か太一。二人ならどっち選ぶかなって」
「何だその質問」
おっと、あまりに下らない問いかけを真剣にされたもんだからつい心の声が。
「相崎さん、めっちゃ興味なさそう!」
いや、そんな爆笑されても。
最初のコメントを投稿しよう!