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日は経ち、今日はいつもは行かないようなちょっと小洒落たレストランで、お父さん、私、陽子さん、その息子の颯君でお食事会。
「お父さん、スーツ似合わないね」
お父さんのイメージは、やっぱり頭に白タオルだからね。
「自分でも思ってんだから言うなよ」
「私は可愛いでしょ」
くすみピンクのAラインワンピースに身を包んだ私は、クルッと一回転。
「まぁ、普通だな」
真顔で言われて余計にムカッとした。
「えー、なんだ。改まってっつーのも気恥ずかしいが。陽子さん、颯君、これからよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げたお父さんに習って、私も軽くお辞儀をする。
「こちらこそ、不束者ですが息子共々どうぞよろしくお願いします」
ふんわりと笑ってみせる陽子さんは、やっぱり今日も綺麗。
「小夏ちゃん、よろしくね?」
「これから陽子さんがウチに居るなんて、何か夢みたいだね。家中いい匂いしそう」
「何?それ」
ふふっと笑う陽子さん。
「颯、海さんと小夏ちゃんにご挨拶して?」
「っす」
陽子さんの息子さん・颯君が軽く頭を下げた。
見上げる位の高身長に、シュッと引き締まった体。ツーブロックに刈り上げられた茶色い短髪は、彫が深めの綺麗な顔立ちをより引き立たせて見せてる。
流石陽子さんの息子さん、間違いなく今時のイケメンだ。
そしてどうやら、彼はシャイボーイらしい。
まだ一回も、目が合ってない。
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