想い

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ピンポーン 理樹が出掛けてすぐ チャイムの音が鳴った ・・・忘れ物? にしても鍵を持っているはずだし そう思いながらモニターを見ると 「首藤さん?」 コンシェルジュの首藤さんが映っていた ボタンを押して 「はい」 返答すると 「あの・・・」 どうしたのか眉毛を下げた渋い顔 「どうしましたか?」 「あの、わっ、ちょ、困りますっ」 ・・・は? 「琴〜っ、私!優羽!琴??」 モニターの中に突如現れた優羽 「え?優羽?」 「いいから開けて!ここ!」 横向きに指を指す優羽 いやいや・・・私にそこは見えるはずないじゃん なんて・・・ 多分エレベーターホールに向かう 自動扉のことだとは推測できる 「あの、困りますっ」 首藤さんと優羽の掛け合いに少し悩んだけれど 「開けるね」 ボタンを押した ・・・どうしたんだろう優羽 とりあえず玄関のドアを開けて エレベーターが上がってくるのを待った やがて・・・ 「ことーーーーっ」 勢いそのままに飛び込んできた優羽を受け止めた 「痛っ」 「あ〜ごめん」 「ん、大丈夫」 「どお?身体良くなった?ご飯食べてる?泣いてない?」 矢継ぎ早に質問する優羽を宥めながら家の中へと通した 「凄っ」 玄関を入ったところで固まった優羽は そのままリビングで口を大きく開いて放心した 「ほら、座って?」 ソファに座るよう背中を押すと ようやく現実に戻った優羽が動いた
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