残念なお知らせ

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残念なお知らせ

毎朝同じ時間に鳴るアラームを 毎朝同じ動作で解除すると 少し硬めのマットレスの上で起き上がって伸びをした ・・・さて まだ覚めない目を擦りながら キッチンに立つと 昨夜のうちに用意していた片手鍋を冷蔵庫から取り出した ・・・今朝は豆腐とわかめの味噌汁 朝からまな板と包丁を使うのが面倒だと具材をセットした鍋ごと冷蔵庫で保存する癖がついたのは 確か・・・小5の頃かな そのお陰で朝はギリギリに起きられるし母に残す洗い物も少なくなる ・・・私って出来た子よね? いつものように独り言ちながら 夜のうちに少し水の出た鍋の中の豆腐を水切りすると 水と顆粒出汁を鍋に入れて火をつけた 味噌汁の完成までに 冷凍庫の中から小分けしている ほうれん草のおひたしとご飯、焼き鮭を取り出してレンジの中へと並べた 私って良いお嫁さんになりそうじゃない? ・・・いや そもそも彼氏もできたためしがないのに“お嫁さん”ってハードル上げ過ぎじゃない? 彼氏、彼氏、カレシ、カレ、カレー おっと!今夜はカレーにしよう 味噌を溶き入れると レンジのメロディーも鳴り始め 支度完了〜 二枚しかないランチョンマットをテーブルに向かい合わせにセット 湯気の立つお味噌汁を並べる ・・・は、箸置き スリッパをパタパタと 鳴らしながらキッチンカウンターとテーブルを往復 その音に反応して 「・・・おはよ」 凄い寝癖のまま 起きてきたのは 我が家の大黒柱の母 「はよ、出来たから顔洗ってきて」 「・・・ん」 夢遊病患者か?と見紛う揺れっぷりを披露しながらリビングのドアから出て行った
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