お母さん正気?

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「先に始める」 熊の放った一言で 大宴会場は水を打ったように静まった ・・・怖っ 15歳の幼気な中学生でも この集団が普通じゃないことくらい 十分に理解できる 母よ・・・正気か? 騙されている・・・とか? いや・・・ そんな望みは甘い空気が流れる二人を見ていれば消える ヤの付く集団・・・ 300パーセントそうだと思う 私の人生大丈夫? あ、優羽に話した通り 高校生で一人暮らしデビューにしよう! そうだ! それが良いーーーっ! 閃きにうんうん頷いたところで 凄まじい程の足音が近づいてきて 止まったかと思うと同時に パーーン 開いた襖の戸当たりの音に 耳がキーンと不快音を残した 「遅いぞ」 低く唸ったのは おそらく理樹さん ってことは今来たのがアキさん? 「チッ、これでも急いだ」 全く悪びれず スタスタと目の前を歩くと 理樹さんの向こう側に座った 「全員揃ったな・・・緒方」 「はい、それでは」 熊が斜め後方に控えていた緒方さんとやらの名前を呼ぶと 緒方さんは立ち上がって 今夜の食事会の主旨を説明し始めた それを他人事のように聞き流していると 姐さんと呼ばれた母は いつもの口調で 「よろしくね」 なんて挨拶していた 母よ・・・凄過ぎるよ 何十人といる厳つい面々の前で 普段通り居られるなんて ある意味母が一番大物じゃないだろうか? 感心して油断した私の名前が呼ばれたのは それから直ぐのこと
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