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食べながらも母の口はよく動く
仕事場での人間関係やら友達から
最近のファッションにアイドルの話まで
それは・・・
息継ぎのタイミングは大丈夫だろうかと心配するほど
「ねぇ、聞いてばかりじゃなくて琴ちゃんも何かないの?」
「・・・ない」
「ん〜もう、釣れないんだから〜」
な、なんだ?ぶりっ子か?
化石になりつつあるぶりっ子降臨か?
37歳で上目遣いで頬を膨らませて許されるのは
母だけかもしれない・・・うん
激しく脳内で納得したところで
・・・ご馳走さまでした
もう一度手を合わせた
壁の時計に目を向けると
残り30分というところ
ここまでは通常運転
立ち上がって
食器を運ぼうとする私の手が掴まれた
「琴ちゃん!」
「・・・ん?」
「あの・・・」
あの・・・の後を早く言え
「・・・」
「・・・」
秒針の動きが気になるけれど
瞼を閉じたまま動かない長いまつ毛・・・じゃなくて
動かない母をジッと見つめる
「あの・・・」
・・・だからなんだ!
「お母さんね?」
・・・あれか?小出しにして連想させるゲームでも流行ってんのか?
「・・・」
「・・・遅刻す」
「お母さんっ再婚するからっ!」
・・・・・・は?
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