末っ子誕生

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母が持ってきたパジャマに着替えた私は 脱衣所前の廊下で待っていた熊と母に連れられて また長い廊下を歩いた 「ここだよ」 笑顔の熊に先導されて 私の部屋とやらに入ると やたら和風の造り やっぱあれか?旅館か? 畳の香りがする広い部屋は ベッド、ソファ、テーブル・・・ 全て薄い水色で統一されていた お風呂に続く第2弾! めちゃテンション上がりましたーーっ ベッドにダイブしたい気持ちを 抑えながら 2人掛けのソファの向かいの畳に 腰を下ろした熊と母に促されるように座った 「突然のことで受け入れられないかもしれないが・・・ ゆっくり家族になろう」 重低音の熊の声に 「・・・はい」 小さな返事だったけれど 熊と母は顔を見合わせて嬉しそうに笑った 素直に返事したのは 失礼なことをしたのに 1ミリも怒らないばかりか 穏やかに話してくれること 家族になるために私好みの部屋を用意してくれていたこと いや・・・ 一番はずっと一人で頑張ってきた母が とても穏やかな笑顔でいること それは 少なからず熊の影響のはず ハッキリ聞いたわけじゃないけど 多分ここはヤのつく家で 護るって発言をしたからには 熊の娘になることで 何らかのトラブルに巻き込まれる可能性があるってこと それをあの厳つい面々全員で 護ると言ってくれた 怖いけど良い人 そう思えた熊を少し信じてみようと 今は思えた
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