末っ子誕生

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「理樹は21歳、亜樹は15歳」 本当は食事会でする予定だった 家族の話をザックリ説明してくれた 「亜樹君は琴ちゃんと同い年ね」 顔も見てませんが・・・ 「それが同じ誕生日でね」 ハイテンションで話す母 「高校では双子って挨拶する?」 「は?」 母よそれは些か無理があるだろう 「母子手帳見せてもらったら 一時間違いで琴ちゃんが妹だった」 「・・・」 一人っ子なのに末っ子?? しかも双子?? いや・・・ それより・・・ 「お母さん、高校は女子高受験した」 最後まで言う前に 「悪いが高校は東白にしてもらう」 熊の低い声が被った 「へ?」 「東白は亜樹も入学するから 琴ちゃんを学校でも護れる」 「・・・え」 待って、だって優羽と高校も同じだって ずっと一緒にって話したばかりなのに たかだか母の再婚だけで 不自由過ぎない? 「琴ちゃん、ごめんね」 ちっとも悪びれる風もない母は 「じゃあおやすみ〜」 熊に肩を抱かれて 部屋を出て行った 「は?」 東白って・・・ 「は?」 女子高生ライフは? あの合格通知は? 優羽になんて説明する? ってか受験も無しで高校行けるの? 「は?」 グルグル回る無限ループに 座っていたソファに寝転んで あんなに寝たはずなのに そのままゆっくり目を閉じた
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