非日常始まる

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「まぁ、亜樹君ともう仲良し?」 キラキラした母の顔が 無性にイラッとする 「熱がある」 天然か?鈍感か? 亜樹さんは真剣に私を心配している様子 「ん?ないよ?あら?あれ? 亜樹君とラブラブして赤くなった?」 ・・・は? 私のオデコに手を当てて くくっと笑う母 母よちょっと黙れ! てか・・・もう降ろせ! 昨日の夜の再来のような大人数の前で 亜樹さんに抱かれたまま羞恥に晒された私 モチロン りんごも驚く真っ赤な顔、耳! 「もう降ろして下さい」 運んでもらってなんだが・・・ この二人ムカつく! 「あ、あぁ」 両手で顔を覆いながら もぞもぞと母の後ろへ隠れた 「琴ちゃん平気か?」 母の隣から振り返った熊は 眉毛が八の字みたく下がっていて ムカつくことも多いけど やっぱこの人達は良い人だ そんな結論に達した 「・・・平気です」 「そうか、なら食べよう」 「はい」 数回深呼吸をすると 頬の熱さを誤魔化すように パジャマについたパーカーを被って 母の隣へ座った 「「「「っ!」」」」 料亭並みの夕食を食べずに飛び出した私のお腹は 恐ろしい程ペコペコで お出汁の香りに頬を緩ませると 手を合わせた 「いただきます」 「「「「っ!」」」」 ・・・・・・ ・・・ ・ パジャマのパーカーに 耳がついているなんて・・・ ピンクに染まった頬を緩めて 手を合わせた姿が 組員を悶えさせていたなんて・・・ それを威嚇するように 理樹さんと亜樹さんが 睨みつけていたなんて・・・ 朝食の美味しさに 二回もおかわりをした私は 全く知らないでいた
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