非日常始まる

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朝食が終わって 理樹さんと亜樹さんに挟まれて 部屋に戻ると 泥々だったセーラー服他一式が 綺麗になって届いていた その前に驚いたのは 私の部屋の両隣が 理樹さんと亜樹さんの部屋だったこと 悲鳴を聞きつけて 来てくれたのは隣に居たからか 少しホッとして でも・・・ なにせ和風の造りだから 襖が多くて鍵なんて皆無 プライバシーゼロだな なんて思いながら 制服に着替えると チノパンにTシャツ ニットのジャケット姿の理樹さんが 「送るよ」 車のキーを見せながら微笑んでくれた 歩いて学校まで行けそうもないから お言葉に甘えて乗せて貰ったものの ド派手な車で正門前に横付けするもんだから 不毛な時間を割いてしまったって訳 スーツ姿より雰囲気が柔らかくて モデルかと思った・・・ 今朝の理樹さんを思い浮かべる私のオデコに 優羽の指がクリンヒットした 「痛っ」 「痛、じゃないわよっ」 可愛い優羽の目が笑ってなくて 少し背筋を伸ばしながら 昨日から今朝までの出来事を 出来るだけ細かい部分まで話した 「そっか」 聞き終わると顎に手を当てたまま ずっと考え込んでいる優羽 声を掛けるタイミングを失って 優羽が顔を上げるまで 待つことにした私は ポケットに入れたスマホの電源を入れた
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