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「ちょっと!こと?」
両肩を持たれて前後に振られて
すげー気持ち悪い
・・・じゃなくて
「は?」
キョロキョロと周りを見る
「どこ?」
「あんた・・・」
ここで漸く肩から手を離した優羽は
腰に手を当てると
若干上体を反らしながら
人差し指を私の鼻先へ向けると
「トリップしてんじゃないわよっ」
決め台詞を吐いた
えっと・・・
ここはヤられるリアクションいるとこ?
いや・・・
怒ってるから更に火を注ぐ?
「ことっ!」
両手で机をバンッと叩いた優羽に驚いて
頭の中を駆け巡っていた声が
・・・消えた
「いい?よく聞きなさいよ?」
そう言うと両手を腰に当てた
「どうせまた心の中で独り言でしょ」
流石の親友、わかってらっしゃる
拍手〜
そう思って笑顔を向けると
「痛っ」
オデコを指で弾かれた
「あんたさ、ただでさえ喋らないんだから独り言ちてトリップしてたら意思疎通なんて皆無よ?」
声が呆れていて
でも、きっと優羽には私の脳内なんて
手に取るようにお見通しに決まっていて
叱られているはずなのに
嬉しくてもう一度笑顔を向けた
「絶対ヤバいよ」
ため息と共に零した優羽の声に
漸く眉毛が下がった
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