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・・・無理
現在１７時２８分
部屋のクローゼットの前で悶える私
『可愛くしてきてね』
さっき母から届いたメッセージに
頭が沸いてきた
・・・中学三年生だよ？
・・・可愛いってなんだ？
お父さんになる人との食事だけでも緊張するのに
母はハードルを上げてきた
いつもなら
『これとこれを着てね』
なんて指定が入るのに
今日に限って私に丸投げなんて・・・
・・・時間がない
でもコーディネートも浮かばない
［好印象］を呪文にした優羽の所為で
持っている洋服が全て安っぽく見える
ピピピピピピ・・・
「あ゛ーーーーーーっ」
遂にリミットのアラームが鳴った
ベッドの上には出番を待つコーディネート達が寝かされ
そのどれも心に響かない
そうこうしているうちに
もうバスの時間になった
悩んでいる場合じゃない
そう思い直すと
「よし！」
鏡に映る自分に微笑んでみた
「ゲッ」
ヤメヤメ・・・
慣れないことはするもんじゃない
笑顔は少なく
俯きかげんにしよう
あんなに優羽と約束したはずなのに
勝手に自己完結させると
マンションを飛び出した
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