マウント女の戯言

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「なんかさ、ざまあって感じよね」 「ほんとほんとー。てか、女として必要とされてるだけで、仕事ではあまり必要とされてないわよね」 誰の話だろう? ちょっと気になって、もう少し聞き耳を立てる。 「坂根さんも、飽き飽きしてるみたいよ」 「まあ、そうよね。仕事もまともにしないじゃない。こないだエリア長がありえねぇーみたいな顔してたし」 「山崎さんはないんでしょうね」 「あの人こそ仕事で地位を築いてるもんね」 一体誰の話をしてるの? まともに仕事しないって誰のこと? なんだか胸騒ぎがして、ついつい聞いてしまう。 「こないだなんてスゴかったわよね。土曜日の見た!?」 「見た見た。具合悪ーい、食欲なーいって体調悪いアピールして、坂根さんにサラダ買ってきてもらってたし」 「支店長パシられてるじゃない。かわいそー」 サーっと血の気が引いていくのを感じた。 土曜日体調崩したって、それ私のこと……。 体調悪いアピールをしてたわけじゃない。どうしたのか聞かれて答えただけで、そんなつもりなかったのに……。 「飲み会もすごいわよね。山崎さん、目立たないように来てないらしいよ」 「あーんな承認欲求の塊、相手にできないわよ。いるだけでマウント取ってきそうだもの」 「怖い怖い。マウンティングだけダメよね。気を付けよーっと」 こつこつとこちらに向かう足音が聞こえてきた。咄嗟に走って逃げる。 なにそれ……。 私が何をしたというの?
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