13人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「なんかさ、ざまあって感じよね」
「ほんとほんとー。てか、女として必要とされてるだけで、仕事ではあまり必要とされてないわよね」
誰の話だろう?
ちょっと気になって、もう少し聞き耳を立てる。
「坂根さんも、飽き飽きしてるみたいよ」
「まあ、そうよね。仕事もまともにしないじゃない。こないだエリア長がありえねぇーみたいな顔してたし」
「山崎さんはないんでしょうね」
「あの人こそ仕事で地位を築いてるもんね」
一体誰の話をしてるの?
まともに仕事しないって誰のこと?
なんだか胸騒ぎがして、ついつい聞いてしまう。
「こないだなんてスゴかったわよね。土曜日の見た!?」
「見た見た。具合悪ーい、食欲なーいって体調悪いアピールして、坂根さんにサラダ買ってきてもらってたし」
「支店長パシられてるじゃない。かわいそー」
サーっと血の気が引いていくのを感じた。
土曜日体調崩したって、それ私のこと……。
体調悪いアピールをしてたわけじゃない。どうしたのか聞かれて答えただけで、そんなつもりなかったのに……。
「飲み会もすごいわよね。山崎さん、目立たないように来てないらしいよ」
「あーんな承認欲求の塊、相手にできないわよ。いるだけでマウント取ってきそうだもの」
「怖い怖い。マウンティングだけダメよね。気を付けよーっと」
こつこつとこちらに向かう足音が聞こえてきた。咄嗟に走って逃げる。
なにそれ……。
私が何をしたというの?
最初のコメントを投稿しよう!