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「どうだったんだよ、花パンとの飲みは?」
新宿支店の控室。支店長の長坂さんが面白半分に私に聞いてきた。
「あぁ。まあ」
「なんだその反応」
「面白かったですよ。色んな人間いるなぁって」
長坂さんは、首をかしげた。
「あ、そういえば、金城さんと付き合ってるんですね」
「え、そうなの!?」
あ、この人も知らないのか。坂根さんとも仲良いし、立場を見ても、てっきり、知ってるんだと思ってた。
まあ、あまり花パンのこと好きそうじゃないもんな。話を聞くのは好きそうだけど。
「なんか、お互いそういう話になりましたよ。恋人いるとかどうのとか。坂根さんじゃなかったんですね。お相手」
「俺もそう思ったんだけどな。例の『土曜日事件』を見ても、ありゃ干渉しすぎだし」
「あぁ、『サラダ事件』」
「サラダだけじゃないぞ。2週に1回、体調を崩しては、食い物を花パンに買ってきてるからな、坂根」
「……まあ、体調不良は仕方ないですけどね」
そういうと、長坂さんは私を見る。
「他になに話した?」
他に……。あの人、私が思ってたよりアホだったからな……。
長坂さんは1年目の私を育ててくれた人だ。この新宿の支店長であり、そして、彼は、営業部長の一つ下の役職、エリア長でもある。
そんなエリア長の部下に、エリアの悪口を言うって、頭悪いとしか言いようがない。そもそも、最初からそんな仲良いわけでもないのに……。田中さんや石見さんの悪口いう前に、女であることをやめた方が良いと思うんだよなー。
仕事に女はいらん。
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