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「他に……」
「エリアのことなんかいってた?」
ああ、この人も少し感じ取ってるのか。変に探りを入れられて困る。
てか、そうだ。あまり乗り気じゃなかったのに、長坂さんが勧めてきたんだった!
だから、断りの返事を書くのに時間をかけて考えていたのに行くことになっちゃって……。
そうか。この人、これを聞くために……。
ため息を飲み込んだ。
「んー。自分の力を試したいのか、神奈川行きたいって言ってましたよ。声をかけられてるって」
「はっ。おもれぇ。どうぞ行ってくれって感じ」
長坂さんは少し口調を悪くして、笑った。ああ、いつもより悪い顔してる。企んでる顔だ。これで花パンは晴れて神奈川に行けるかな。
まあ、そんなことよりも何よりも私がムカついたことがある。別に神奈川でもどこでも行ってくれって感じだし、エリアの悪口言ってたことは黙っとくけど、さすがに、言いたくて仕方ないことがある。
「あと、去年の私は、『アウトオブ眼中』だったらしいですよ」
なんだアウトオブ眼中って、そんな堂々と目の前で言う!? 普通!?
その時ばかりは、笑って過ごしてたけど、ほんと腹立つ。
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