マウント女の戯言

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全社会の会場。 考えてみれば、ここには元カレが2人いる。 結局、営業部長とも別れた。 本当に私の恋愛は続かない。 でも、必要とされていることはわかった。 「お前が来て、営業成績上がっているところはいっぱいあんだろ。みんな助かったって言ってるぞ」 坂根に言われて、私は正気を取り戻した。なんだか自信をなくしていたけど、嘘のようだ。そうだった。私は、会社に貢献しているし、まだ飲みの誘いだってくる。女性と飲むことは減ってしまったけど、男性は声をかけてくれる。 全社会も堂々と来た。 でも、女性たちの私の視線がおかしい。私は、孤立状態だ。 「こないだ坂根さんに会ったんだって」 「え!? 二人きり!?」 「しっ! 声大きい!!」 えっ、なに……。 「偶々、他の子と飲みに行ったら、坂根さんの奥さんと山崎さんがいてさ……。聞いてたら、辞めたいとか言って、無理矢理会ってもらってたみたい。奥さんがモヤモヤして、山崎さんに相談してた」 「うわ……」 私は、女の子たちを見ないように、耳を傾ける。背中に変な汗が流れるのがわかる。 「結婚したばかりなのに、それは酷くない?」 ドキドキと胸が鳴る。迂闊だった。元カレだから、話を聞いてくれるだろうも思ってたけど、そっか、奥さんのことまで考えていなかった。 樹里ちゃんとは仲が良いわけじゃないし。 「ね。しかも、坂根さん、松原さんの元カレらしい」 「え、そうなの!?」 「相変わらずのマウント女じゃん」 ケラケラ笑われて私は穴があったら入りたかった。 そんなつもりないのに、なんで、そう見られてしまうんだろう……。
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