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ぼんやりと私がまとめている資料を眺める谷川さんを見ていると、ふっと目が合う。
「今日、秦さんと何話してたんですか?」
「え?何か話してましたっけ」
「佐野さん、嘘吐くの下手だね」
笑う谷川さんは、別に不快感を持っているわけでも怒りを抱いているわけでもなかった。
ただ、気になったのだろう。
「谷川さんはモテるなって話してました」
「本当に?恋多き男って話してたんでしょ」
「そうですね。結構すぐ付き合うのに、すぐ別れちゃうから」
「辛辣だ!たしかに、そうだけど」
「どうして別れたんですか?」
「気になる?」
「話したくないなら、別にいいですけど」
缶コーヒーを開けながら、資料に目を落とすと、谷川さんは私から資料を奪う。
自然と、視線が谷川さんの方を向き、目が合った。
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