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「ねえ、あんたってさ」
青空の下、友人が私にフォークを向ける。
さっきまで卵焼きを突き刺していたフォークは、
今度は私を刺そうとしているのだろうか。
「こんな良い天気にさ、
こんなにキレイな花が咲いている公園でさ、
何が悲しくてあたしとピクニックしてるわけ?」
久しぶりの休日。
友人と2人で近くの大きな公園でピクニックに来た。
私はとっても楽しい気分でやって来たというのに、
友人はどうやら物足りない様子だ。
「いいじゃない。友達とピクニックだなんて」
フォークが見えないみたいにして、
私は空を見上げる。
青い、青い空は、私をまるで責めているみたいだった。
「あたし達、何歳よ」
「え?そりゃあ、28歳だよ」
呆れた、と友人はため息をついて今度は、
ウィンナーをフォークで突き刺していた。
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