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ひっきーは、美香を無視して話を続ける。
「それと、葉山って名前見て、ちょっと思い出したことがあって」
美香は、腑に落ちなかったが、ひっきーの後を追う。バツイチもミンママも後に続いた。
「思い出したって、何を?」
バツイチが聞くと、辿々しくひっきーが喋りだした。
「いつだったか、実家で別宅を買おうかって、話になったことがあって」
ひっきーは、何年前か思い出せないと言い、少し考え込んだ。
「別宅……」
「次元が違う」
「ひっきー、今日、お嬢力爆発してる」
その間に、三人は、ひっきーの後ろで、想像が追いつかない話に三人で、備える。
「うちは結局、セーシェル共和国に別宅買ったんだけど」
ひっきーの突然の告白に、反応のしようがない三人は、困惑する。不思議なのは、あまりに庶民とかけ離れ過ぎていて、自慢に聞こえないということだ。
「ドコにある国かも、分かんないんだけど」
美香は、聞いたこともない国名で、既に話を聞く気をなくしていた。
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