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「私達、今、現代日本の話を聞いてるのよね?」
三人共、ひっきーの家柄事情を始めて思い知らされた。
ひっきーが言うには、売りに出した人の名前くらいは、聞けるかもしれないとのことだが、期待は出来ないだろうということだった。
とにかく、ひっきーも葉山邸から分かることを、探ってみるということだった。
「そんなことより、あの計画も進めなきゃいけないってこと」
「そうねぇ。これから忙しくなるわね」
もみじのことは、一旦、ひっきーに任せることにして、やはり、バツイチの計画を進めるようだ。
お金のかかる大掛かりな計画をするみたいだ。それぞれ、盛り上がる。
「パリピの血が騒ぐ〜」
「ヲタクロリータの底力を見せるときだわ」
「オーナーに報告だね」
「そう思ってライン済み。作戦決行だってさ」
四人は、来たときと同じく、閑静な住宅街を元気よく歩く。美香が、閃いた顔をし、グラスを持つ仕草をする。
「景気づけに言っとく?」
それだけで三人には、伝わった。
「チアーズ!」
声を合わせて、誰が支持したわけでもなく、ハイタッチをする。
住宅街のど真ん中、家の中から、四人を伺う人々の視線は、誰も気にしていなかった。
「てか、あのオバちゃんにもみじさんの名字聞けば、よかったんじゃない?」
美香が、身も蓋もないことを言うが、ひっきーが冷めた口調で批判した。
「あの場で、それを聞いたら詐欺集団だと思われるからヤダ」
それから、ミンママもバツイチも少し大人しくして、ビルへ帰ったのだが、美香にだけは伝わらなかったようだった。
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