チーム ホマ始動

26/26
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
「私達、今、現代日本の話を聞いてるのよね?」  三人共、ひっきーの家柄事情を始めて思い知らされた。  ひっきーが言うには、売りに出した人の名前くらいは、聞けるかもしれないとのことだが、期待は出来ないだろうということだった。  とにかく、ひっきーも葉山邸から分かることを、探ってみるということだった。 「そんなことより、あの計画も進めなきゃいけないってこと」 「そうねぇ。これから忙しくなるわね」  もみじのことは、一旦、ひっきーに任せることにして、やはり、バツイチの計画を進めるようだ。  お金のかかる大掛かりな計画をするみたいだ。それぞれ、盛り上がる。 「パリピの血が騒ぐ〜」 「ヲタクロリータの底力を見せるときだわ」 「オーナーに報告だね」 「そう思ってライン済み。作戦決行だってさ」  四人は、来たときと同じく、閑静な住宅街を元気よく歩く。美香が、閃いた顔をし、グラスを持つ仕草をする。 「景気づけに言っとく?」  それだけで三人には、伝わった。 「チアーズ!」  声を合わせて、誰が支持したわけでもなく、ハイタッチをする。  住宅街のど真ん中、家の中から、四人を伺う人々の視線は、誰も気にしていなかった。 「てか、あのオバちゃんにもみじさんの名字聞けば、よかったんじゃない?」  美香が、身も蓋もないことを言うが、ひっきーが冷めた口調で批判した。 「あの場で、それを聞いたら詐欺集団だと思われるからヤダ」  それから、ミンママもバツイチも少し大人しくして、ビルへ帰ったのだが、美香にだけは伝わらなかったようだった。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!