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プロローグ
一つの恋に区切りをつけた日だった。
終わった。
色褪せた背表紙に、人差し指を引っ掻けた。いつまでもそこにあった、昔の彼女の一冊の本。俺の気持ちも置き去りにされた。
背表紙は年々色褪せ、いつしかただの景色の一部になって俺の部屋にあった。
別れた彼女とは……友達になれるタイプでは無い。今はどこでどうしているか、俺は知らない。
──思い返せば、この頃からだ。俺はいつも……好きになった人との恋はうまくいかない。この日終わらせた恋も、昔の彼女との恋も。
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