1;プロローグ

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痛い痛い 熱い熱い 背中が熱い 床に倒れた私の周りが濡れていく これは血? 死にたくない・・・「また」死ぬなんて・・・嫌・・・・ 『・・・・お義母様・・・・』 この痛みの元である継母を見て、どうにか口を動かしてみる・・・そのまま意識が無くなった。 いつからだろう、痕が残るように鞭で血があふれるような折檻を受けるようになったのは。 伯爵家の長女で一人娘だった私。お母様が生きていた頃はお父様も優しくてよく遊んでくれていた。 「可愛い私のファティマ」 お母様は、いつもちょっと癖の有る金色の私の髪をなでてくれた。 「ファティマの目はお母様そっくりだな。綺麗な青色だ」 そうやさしく見つめてくれたお父様。 とても穏やかで幸せな日々だった。 4歳の時、お母様が病で亡くなってからお父様が可笑しくなった。 何時もお酒の匂いをさせて、きつい香水の匂いがしたときもある。 悲しくて悲しくて部屋に閉じこもりぎみになり、お父様が私に声を掛けなくなった。 転機は1年後、私が酷い風邪を引いて寝込んだ時、さすがに心配したお父様が酒も飲まず私の看病をしてくださった。その時の私の乳母から、 「奥様だけでなくファティマ様も居なくなったらどうするおつもりですか。いつも寂しいと泣いているお嬢様を見ていられません」 と怒られ息の荒い私を見て何かが変わったのだろう、それからお父様は再び仕事に精を出し、私の部屋にも良く訪れるようになった。 「ファティマ、寂しいか?」 「ううん、今はお父様が居るしばあやもいるから寂しくありません」 そう言ってお父様ににすがりつく。すると、私の頭を優しくなでてくれた。 寂しいと体で訴えてしまったのだった・・・・。 その後しばらくして新しいお義母様が二人のお姉さまと一緒にお父様に連れられて屋敷にいらした。 嬉しかった、これでまた楽しい日がくる、新しくお姉さまも出来るなんて幸せ・・・と思ったのに。
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