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夜。高層マンションの最上階。
不二子は机上に無造作に積み上げられたジュエリーを、猫をあやすように撫でていた。
微光でも分かる。このひんやりと冷たい感覚は、プラチナだ。
「誰だ!」
突如電気が点き、二人のヤクザは銃を構える。しかし、不二子はジュエリーをランニングバッグに詰めて、窓から飛び降りるところだった。
隣接するマンションの屋上に飛び移り、目を輝かせながら、走っては飛び移りを繰り返す。
不二子が首元や耳に付けたプラチナのジュエリーは、月光に照らされて、夜空に瞬いていた。
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