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パルクール。
これが、不二子が熱中しているスポーツである。
構内をランニングしながら、インスピレーションが働いた場所を練習場にするのが日課だが、大きな図書館が一番のお気に入りだった。
山が切り崩された土地のせいか斜面が多く、建物は四階建てだが、横手の坂を登れば三階の裏口へアクセスできるようになっている。四階は一部がテラスになっていて、坂の斜め下には地上から二階へ緩やかに伸びている石の階段がある。
つまり、不二子は坂の上から、図書館と隣り合った建物を使って壁キックの要領で四階のテラスに飛び移り、バク宙しながら坂の上に戻って側転で坂を下り、ある程度斜め下の階段との距離が近くなったところで、くるくる横に空中回転しながら階段の中間の広いスペースに下り立って、階段を飛ばしながら駆け下り、勢いよく飛び込みながら体を斜めに三回捻って地上に着地する。
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