7/7

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「ちゃーんと人通りが少ない時間帯を狙ってやってるわよ」  今は昼休み空けすぐの3時限目。テスト期間中でもないので、図書館を利用する人はほとんどいない。  マネージャーといっても、野球部やサッカー部のようにいつでもタオルや水を渡してくれたり、合言葉のように応援してくれるわけではない。パルクールサークルに所属しているが、選手ではない学生のことをそう呼んでいるに過ぎなかった。  しかし、その中でも暁美は不二子に執着してまとわりついては、いろいろとアドバイスしてくれる。マネージャーというよりかは専属コーチであり、不二子にとっては単に気の合う友人でもあった。  暁美が階段を下りてくる。それにしても、松葉杖が邪魔ではないかと思うほど、スムーズに歩けている。  そんな違和感を抱きはじめた最近、不二子は暁美の足元を、怪訝(けげん)な目で見るようになっていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加