第2章

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「僕は、自由なんかじゃない」 彼の言葉になぜだかイラついて、言い返した。 「自由だろうが。なんでも、自分のしたいようにして。それのどこが自由じゃないんだよ?」 酔って絡むような口調に、 「……思い通りにいかないものは、僕にもある…」 自分もアルコールを呑み下して応じる。 「何がだ?おまえの思い通りにいかないものなんて、何があるんだよ?」 そう聞き返されて、 「……わからない」と、答える。 頭にはなんの答えも浮かばず、自分がなぜそう言い返したのかすらもまるで見当がつかなかった。
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