第1章

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……何杯目かのグラスを空けた時に、テーブルの上に置いていたスマホが震えた。 「……はい」 「聖哉(せいや)? 私よ」 「……うん?」 少し飲み過ぎたのか、上手く頭が回らない。 「わからないの? ユリよ」 「……ああ、ユリか、」 回らない頭で、ぼんやりと応じる。 「行ってもいーい? 今から」 「……何しに?」 一人で酒を飲んでいるところへ、今さら女に部屋に来られるのも鬱陶しかった。
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