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答えの出ない悩ましさに、どうしてそう考えたのか、母の店に行ってみようと思い立った──。
母親はスナックをやっていて、僕は子供の頃からそれが嫌で仕方がなかった。
いつも男に媚びては誘いかけ、振られればまた次の男にしなだれかかる……そんな母の姿など見ていたくもなかった。
だから、独り立ちができるとわかった時、早々に親元から離れた。
その母の店に、なぜ今さら行こうと思ったのか……もう何年会っていないのかすらも知れなかった。
久しぶりに訪れると、
「……珍しいわね。あなたが来るなんて」
と、母が驚いた顔で僕を見た。
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