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「……たまにはいいだろ」
なんて応えればいいのかもわからずに、目をそらして素っ気なく言う。
「…ふぅーん、どんな心境の変化なんだか。あんなに、私を毛嫌いしてたのに」
相変わらず派手に化粧をした顔で、フッと軽く唇の端を引き上げる。
「……別に、どうしたってわけでもない。ただ来てみたくなっただけだ……」
「そうなの? まぁ、いいわ。どんな理由でも久々に会えたんだから、今日は飲みましょう?」
カウンターばかりのテーブルに、バーボンのボトルが出されて、
「好きなだけ、飲んでいいから。久しぶりの再会に、今夜は私が奢るから」
と、母は微笑った……。
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