503人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に、なんにもしてあげなかったわよね。だって、あなたときたら、子供の頃からなんでもできて、私がかまう必要もなさそうだったから」
「……あんたがしてくれないから、自分でやるより仕方がなかったんだ…」
「…あら、そうなの? あなたは誰の助けもいらなそうだったから。一人でなんでもした方がマシって感じで」
母は最初に会った時のように、また驚いた風な顔つきで話して、
「……でも、もしかして、寂しかったの? 聖哉」
と、こちらにちらりと視線を寄越した。
最初のコメントを投稿しよう!