第3章

39/55
前へ
/147ページ
次へ
「……本当に強いのね、お酒。もっと飲む?」 無言で頷いて、グラスを差し出す。 注がれたバーボンを一口飲むと、 「……あなたの、その"聖哉"って名前だって、あの人が付けたのよ…」 そう切り出されて、唖然とする。 「……名前を? 父が……?」 「そうよ。生まれてくる子が男の子だってわかって、それなら自分の名前から一字を取って、聖哉にしようって」 「……父は、なんて名前だったんだ……」 アルコールの一口を飲んで、 「……聖司(せいじ)」 と、母が呟く。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加