第3章

40/55
前へ
/147ページ
次へ
「……父の名前から、付けられた名だったなんて……」 どう考えればいいのか、わからなかった。 思考が追いついていかないまま、一気に色々な感情が頭の中になだれ込んできて、混乱してくる。 「……愛されてたのよ、ちゃんとあなたは。……私にも、そしてあなたのお父さんにもね……」 母の言葉に、涙が流れた。 零れる涙を止めることすら出来ずに、片手をあてて目を押さえた。 「……泣きたければ、泣けばいいのよ。聖哉」 母の腕がまわされて、身体を抱き留められる。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加