第3章

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「こんな……どうして、涙が止まらない……」 溢れ続ける涙に、自分でもどうしていいのかがわからなくなる。 「……大丈夫。泣きたいだけ、泣きなさい……」 母が自分の胸に顔を押しあてる。 「……愛してるわ、聖哉。今までも、これからもずっとね……」 聴こえる母の声に、よけいに涙は頬を伝い落ちる。 「……どうして……」 堰止められない感情に、ただそう口にすることしかできない僕の頭を、母の手が優しく撫でた……。
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