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「……この間の約束だが、」
冷えた白ワインの一口で喉を湿らせて切り出すと、
「こないだの?」と、彼は一瞬考え込んで、
「……もしかして、いつかのパートナーの約束か?」
と、再び首を傾げた。
「そうだ」
「……答えてくれるのかよ? あの約束に」
手にしたグラスからワインを口に含んで、
「保留にした答えは、いずれ決める必要があるだろう」
言うと、
「相変わらず、言い方はおまえらしいのな…」
クッと小さく彼が笑うのに、
「……約束は、受け入れる……」
と、話した。
「……受け入れるって、」ごくっと喉を鳴らすと、「ウソだろ…本当にか?」
佐伯が本気で驚いた顔つきになる。
「……本当だ。おまえがいつまでも結婚しなければ、僕がパートナーになってもいい……」
「……嘘みたいだな。まさかおまえからそんな言葉が聞けるなんて……なんか夢かも」
言いながら自分の頬をぎゅっと摘まんで、「痛ってぇー」と、佐伯は笑った──。
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