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「……こうすれば、満足なのか?」
てらてらと艶めくルージュの引かれた唇へ舌の先を挿し入れながら、手に持ったままだったグラスをテーブルに置いた。
「……ん、聖哉……」
彼女の方は感じているような声を上げたが、自分自身は身体を合わせるそばからどうしようもなく気持ちが冷めていくのを感じていた。
達かせてしまえばそれでこと足りるのなら、早くそうしてしまいたかった……。
自分の身体の下で喘ぐ裸体を見下ろして、
(……こんなことは無意味にしか、僕には思えない……)
そう、頭の片隅で漠然と考えていた──。
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