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"取りに行きたい"などと言われたら、なかったと答えるだけだ。
……あの女とも、そろそろ潮時なのかもしれない。
付き合いに嫌気が差して、抱くことさえも億劫でしかない。
……自分は、いつもこんな風にしか恋愛を考えられない。ゴミ箱に放り込んだイヤリングが目に入る。
……だが、それの何がいけないんだ……。
シャツに袖を通して、ネクタイを結ぶ。
僕には、誰も必要ない。要らないものは、切り捨てられて当然だろう……。
かけたメガネを指の先で押し上げて、マンションのドアを開く──。
……当然ではないのなら、どうしてそれが必要なのかを、僕に説明してくれ……。
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