第1章

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──会社では、噂ばかりが耳につく。 「桐生さんって、本当にかっこいいよね。彼女とかいるのかな?」 「彼女は作らない主義みたいよ、あの人って」 「ああ、でもあれだけの見てくれなら、彼女なんかいらないか〜」 「そうそう、モテ放題で遊んでいたいってやつじゃない」 くすくすと笑う声が耳障りに感じる。 聞こえているとわかっていて、わざと言っているのか……。 ……いい加減にしてくれ。僕は、君たちにいじられるための玩具(オモチャ)なんかじゃない。
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