503人が本棚に入れています
本棚に追加
「桐生、おまえってモテるのか?」
同僚の佐伯 和真が訊いてくる。
「……決まっている」
やや鬱陶しくも思いながら応える。
「決まってるって、つくづく嫌味な奴だな、おまえってば」
軽く笑いながら肩を抱いてくる佐伯の手を振り払い、
「聞いてきたことに、素直に答えただけだ」
額にかかる前髪を掻き上げた。
「そういう仕草とかも女どもの注目を浴びてるって、おまえ気づいてるのか?」
笑いを貼りつけたままで話す佐伯に、
「……別に」
とだけ、答える。
最初のコメントを投稿しよう!