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「ほら、あの女も、おまえのことを見てるだろ」
指の差された先に、ぼんやりと目を移す。
頬づえをついた女性が、こちらをじっと見つめていた。
「……そうか、」
綺麗な女だとは思ったが、それ以上の感情は何も湧いてこなかった。
「そうかって、おまえなぁ〜。あんな美人に見つめられて、そんな反応かよ?」
「興味がないと言っただろ。僕は、誰も好きにはならない」
「誰も……って、何もったいないこと言ってんだよ? そのルックスで、誰も好きにならないなんて、もったいなさすぎるだろうが」
「……うるさい」
酔って、声が大きくなっている佐伯を横目に睨んだ。
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