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「おまえには、関係ない」
「……関係はないがな、確かに」
と、グラスを弄びながらぼそりと呟くのを、たいして身のない話ばかりでいい加減帰りたい気分で見やった。
「でも、モテるんだろ、おまえ。だったら、付き合いとかどうしてんだよ?」
「付き合わない。言い寄ってきたら、受け入れるだけだ。それ以上でも以下でもない」
かけているメガネを指で軽く押し上げる。
「でも、女には言われるだろ? 『私たち、付き合ってるの?』とかって」
「言われたら、付き合ってないと答える。それで去って行くなら、それだけだ」
「……なんだよ、それは」
と、これ見よがしなため息が、佐伯の口から吐かれた。
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