第1章

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最寄りの駅で電車から降り、コンビニに立ち寄って、ボトルの酒を数本ばかり買い込んだ。 店からは引き上げてしまったが、正直まだ飲み足りてはいなかった。 マンションに着いて、スーツを脱ぎながら冷蔵庫に向かう。 グラスに氷を放り込んで、ソファーに腰を落とすと、上着を傍らに投げ出して、酒を注いだ。 「……疲れた」 ソファーに背中をもたせかけると、ふとそんな呟きが漏れた。 「なぜ、屈折した恋愛しかできないとか、あいつに言われないといけないんだ」 口にすると、煽るように一杯を飲んだ──。
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