第1章

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「僕は、僕のしたいようにしているだけだ。別に屈折などしていない」 はずしたメガネを、テーブルの上にコトリと置く。 「……好きになることに、なんの意味がある。……好きになったところで、いつか冷めるのを待つだけだ」 恋愛など、つまらないとしか思えない。 ……好きになったとしても、そこには何も生まれない。 僕には、愛し合うという行為が、何が楽しいのか知れない。 ただ欲望を満たすためだけに、身体を合わせるようなことに、意味など到底見いだせるはずもない……。
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