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そのまま寮の食堂で夕食を食べて、たくみと別れ寮の2人の部屋に戻ってくる。
「食った食った!」
機嫌良く言葉を出しながら、コウジのあとについて、部屋に入る瞬助。
「ちょっと休憩したら勉強するからね」
とりあえず、自分の勉強机につきながら話すコウジ。
「オッケー、あ、そうだ指輪はめてみようぜ!」
「今?」
「今はめないで、いつはめるんだよ」
「…うん、じゃ」
買ってきた袋を取ろうとすると…
「待てよ!こういうのはムードが大事だろ!」
それを制しながら言い出す。
「は?」
「うーん、アレアレ、結婚式みたいなやつやろうぜ、病めるときも~って」
少し考えて言う瞬助だが…
「バカ、そんな恥ずかしいことはしません、かして!」
「チッ、ノリ悪いな」
舌打ちしながら仕方なく指輪をひとつ渡す。
「当たり前でしょ、ったく結婚なんかできるわけないのに…」
虚しくなるだけだよ…
ボヤきながら渡された瞬助の指輪を、瞬助の左手の薬指にはめる。
「サンキュ、つかなんで結婚できねぇかな」
すっと、コウジの唇にキスを落としながら、そんなことを言う瞬助。
「それは…生産性ないからでしょ、同性同士は…」
「そうか?今の時代、どっちかだけでも子ども出来る時代だろ?体細胞とか最新技術使ってさ、法律さえ整えば…」
瞬助もボヤきながら、コウジの左手の薬指にリングをはめる。
「ありがと…ていうか、倫理的問題からも無理でしょ日本じゃ…」
「じゃ、外国に移住するしかねぇか」
「はぁ?」
「もしくは、政治家になって法律変える!」
「ばか…」
呆れ調子に呟いてしまう。
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