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「はい、ごゆっくりどうぞ」
そう店員は去っていく。
それを確認してコウジも瞬助の近くに来る。
「うーん、確かに入るけど…」
瞬助は一応指にはめてみるが、首を捻る。
「これか…」
たくみも苦笑い…
その指輪は太くて頑丈なドクロマークなどの装飾が施されたいかつい指輪が殆どだった…
「ちょっと意図から外れるね」
コウジも首を傾げる。
「あっちで幸田にもはいりそうなの探した方がいいかな」
たくみはそう勧めるが…
「やっぱいいよ指輪は…」
何だか面倒になって息をついて呟くコウジ。
「よくねぇよ、探す!」
しかし、瞬助は諦めたくない様子…
そう言い切って元の場所で指輪を一つずつ薬指にはめていき、確かめている。
「しゅん…」
困った風に名前を呼ぶが、近くで見守るコウジ。
「お!入った!!これなら入るぜ、同じの探せよコウジ!」
急にテンションを上げて呼ぶ瞬助。
「しゅん、静かに!分かったから…」
こっそり手元を隠しながら、瞬助が持っている指輪と同じものを薬指にはめて合うのを探すコウジ。
シルバーのシンプルな指輪、斜めに二本ラインが入っている。
「ん…これなら大丈夫」
「そっか、よし貸せ。あと首にかける用の…これでいいか」
目についたシルバーの細かいチェーンを手にとってレジに並ぶ瞬助。
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