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「馬鹿とはなんだ、結構真剣なんだからな!」
「はいはい、瞬の突拍子もない考えにはいつも驚かされるよ」
ムスッと顔をしかめる彼をなだめながら肩を叩く。
「どういう意味だよ」
むっとしたまま言い返してくる瞬助に…
「別に、飽きないってこと」
そう言って立ち上がる。
「そっか…ん?どこ行くんだ?」
「喉乾いたから飲み物作ってくる」
「あ、じゃ俺のもついでに」
「何がいいの?」
「コーヒー!」
男前の顔を、爽やかに笑顔に変えてリクエストしてくる。
「じゃ、待ってて」
なんでも様になる瞬助を心で賞賛しつつ。
「おう!」
瞬助を部屋に残して、2人共有のキッキンに行き、ケトルで湯を沸かし、自分の紅茶と瞬助のコーヒーを入れ始めるコウジ。
その際に目に入る、左手の薬指にはまったリング…
そっと触れる…
瞬助とお揃い…
こんな指輪をつける日が来るとは…
でも、いつかは終わりがくるのに…こんなもの貰っても重いだけかも…
そう忠告する心もあるけど、今は瞬助とペアリングできてること、素直に喜んだらいいのかな…
瞬助が結婚とか言うから…考えなくていい想いが過って…
「おーい」
不意に後ろから覗き込んで声をかけてくる瞬助。
「わ、びっくりした、何?」
びくっとして振り返る。
「いや、遅いから」
そっと肩に手をかけながら見つめてくる長身男。
やっぱでかい。
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