686人が本棚に入れています
本棚に追加
「フツーみんな褒めるぜ背高いと、よく見ろって、俺カッコいいだろ?」
コウジに褒めてもらいたい瞬助だが…
「別に、これ以上カッコ良さ求めてないし」
確かにお前はカッコイイんだけども、自分で言うか普通!と心でツッコミながらポソっと答える。
「ええっなんで!?」
「それは…」
瞬助がカッコ良くなればなるほど女の子に人気が出て嫌だからなんだけど…そんなこと言ったらますます自信家度合いが上がりそうだし…
「俺、お前の為に鍛えてんだからな」
言葉を濁すコウジを抱き寄せながら…不意に伝える。
「え?」
「寮生活になってから生活リズム狂ってよく風邪とかひいてたんだけどな、今はそんなことないだろ?」
「…うん、確かに」
1年の頃は風邪ひいて欠席することもあったし、ガタイいいくせに身体弱いのかと思ってたけど、付き合いだしてからはほとんど風邪ひいてるとこ見たことが無い。
「風邪でダウンとか情けない姿お前に見せたくなかったから、身体鍛えて、食べ物気をつけて、極力風邪ひかないようにしてるし、筋トレだってサボらずやるようになったし」
「え、サボってたの?」
「まあ、少しな!筋トレはお前の強烈ツッコミに耐える身体をつくる為だし」
「は?ツッコミ?」
「お前、自覚ないかも知れねーけど、結構すぐ手が出るからな、少々殴られても平気なように筋肉つけて万全の構えでツッコミの一撃を待ってるワケよ」
意気揚々と立派な腹筋を見せてドヤ顔をしてくる。
「…馬鹿?」
分かってはいたけれども改めて溜め息とともに出る言葉。
「馬鹿じゃねぇよ、痛みを恐れないコウジ愛の賜物だと言え!」
「アホすぎる…」
もはや脱力するしかない。
「じゃ、シャワーして着替えてくるからまってろよ〜」
そう言いたいことだけ言って彼は颯爽と去って行った…。まあすぐ戻ってくるんだけども。
なんだかんだ、賑やかな瞬助と話して身長で落ち込んでいた心が若干払拭されたような気になっているのは…瞬助がアホなおかげだろうか…。
最初のコメントを投稿しよう!